会社員生活を送っている人ならば毎年冬に必ずやっている年末調整の書類提出。
あの地味に面倒な作業が何のためにあるのか、ちゃんと理解している人はどのくらいいるのだろうか?
そもそも毎月の給与明細を見ると、いわゆる “手取り” になる前に額面から諸々と差し引かれるものが数種類ある。一般的な項目は下記。
| 税金 | ・所得税 ・住民税 |
| 社会保険料 | ・健康保険料 ・厚生年金保険料 ・雇用保険料 ・介護保険料⇒40歳以上から徴収される。介護保険制度を運用するため被保険者が負担している。 |
源泉徴収とは、税金をあらかじめ天引きして仮徴収しておくシステムを指す。
本来、大前提として会社員以外のアルバイターやパートタイマー、個人事業主も含め、収入を得ているすべての人は、年間所得が一定額を超えた時点で、所得税を払わなければいけない。よく聞く「確定申告」とは、前年(1/1~12/31)で稼いだ金額に対して、納税額を計算&申告して納税する仕組み。
ただし日本全国6500万人以上いると言われているサラリーマン全員が個別に手続きをすると、税務署にとんでもない数の申告が殺到することになる。それをされると国が処理しきれない。そこで生まれたのが源泉徴収。「企業は従業員全員の所得税をまとめて代理で納税してくれ~」という仕組み。

源泉徴収とは、めちゃめちゃシンプルに言うと、会社側が給与から年間の所得税をあらかじめ差し引いておき、納税者本人の代わりに税金を納めてくれるシステムなのだ。これによって、会社員は確定申告を個別にしなくてもいいようになっている。
そして、冒頭に触れた年末調整とは、源泉徴収された合計額と税額を一致させる精算。
つまり、会社側が給料から月ごとに概算を引いておいたものを年末にキレイに勘定をして「多めにとりすぎてしまった分を返すよ~」という仕組み。
ちなみに給与所得以外にも源泉徴収であらかじめ税金を納めてくれるシステムはある。
対象になるのは「利子所得」「配当所得」「報酬・料金」など。銀行預金に対して発生する利子や、株を持っている人がもらう配当金、原稿料・デザイン料・税理士や弁護士への報酬などなど。
そう。これまでの説明でピンときた方もいるかもしれないが、源泉徴収&年末調整はあくまでも企業で得た給与に対して発生する税金を納めるシステム。つまり、会社以外から収入を得た場合には別に納税をしなければいけないのだ。
これが副業会社員の「確定申告」にあたる。

